SUNRISE SUITES KYOTO サンライズスイーツホテル           備忘録(再3)

仕事

壷中の天。
入り口から建物内部の廊下、そして屋上まで繋がる庭、建物と庭が見事につながり四季折々の自然が楽しめる演出。 

このホテルは、庭が大きな魅力になっています。
敷地内、正面と裏庭 ロービーと各階に個性的な庭が動線として屋上にまでつながっております。屋上には桜の木も植えてあります。庭に関しては、ホテルサイドの強いこだわりがあり建物添景としてではなく、むしろ主役としての庭を計画要望されました。当初、京都の作庭家から協力を取り付けることができず頭を抱えていたので代案としてアジア的な庭も検討していました。
世界中から人気のアマンホテルに影響を与えたジェフリー・バウの庭をアレンジするのもありかなと考えました。その後運よく四季の企画社様とある名作庭家にお願いすることができ本格的な和風庭園が可能になりました。

  • 東寺の創建当時の庭の再現
  • 茶室は連想させない(時代が新しいので)
  • 日本的に作るかアジア的に作るかはっきりする

 庭に関しては、門外漢なので全てをお任せすることにしましたが、全体のコンセプトもありますので上記の3点だけお願いすることにしました。
 東寺の創建当時がデザインコンセプトなので、現在私たちがイメージする大きな石組みや枯山水の庭は平安時代初期存在していませんでした。平安時代の初期の庭は、飛鳥京跡苑池遺構から推察される州浜(丸石を浜のように敷き詰める)の池泉庭園で曲線的な造型が主体で石組みも小さなものになりす。   時代的には,少し新しいのですが京都と奈良の間にある浄瑠璃寺(1047年)が参考になると考えました。結果的には、枯山水の庭や小さな瀧がある庭など現代的な庭が出来ましたが、各階から屋上に至るまで本格的で非常に質の高い庭になりました。

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 特にロビーの枯山水の庭と折り上げ天井と鎖樋はこのホテルの一番の見せ場になります。外からはわからないのですが、枯山水の庭の折り上げ天井は吹き抜けになっており、屋上から建物内に雨がそのまま枯山水の庭に降り注ぎます。(圧巻です!!)建築家安藤忠雄氏の住吉長屋(初期の代表作品)のように建物内部に外庭を抱える構成になっています。
外観、内装、庭、一つづつ見ると寺院建築と日本庭園の再編集的なホテルですが、庭と建築の関係に於いては、全く新しいアジア的な開放感のあるホテルではないかと思います。

一口メモ
京都観光の大きな魅力の庭ですが、寺の創建時と作庭時期がずれている事があります。
例えば、東福寺/方丈庭 寺創建は鎌倉(1236年)庭は昭和に作庭されてます。
結構勘違いされてる方も多いので念のため。

サンライズスイーツホテル 備忘録(再1)
サンライズスイーツホテル 備忘録(再2)
サンライズスイーツホテル 備忘録(まとめ)
「日本庭園」の見方  監修 斎藤忠一・著者 田中正造・サライ編集部編

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