日本流通史

書籍

著 石井寛治

スマレジ


日本の古代から現代まで一貫した目で見通した初めての流通史
商品流通の歴史を その担い手に焦点を当てながら描き出した。
私は、インテリアデザイナーもしくは、店舗デザイナーという肩書きで仕事をしていますが、
ECサイト(アマゾン)による流通革命、コロナ禍による店舗販売の実質禁止などを経験し、この先商業施設がどのように変わっていくのかを知りたくて、教科書として古代から中世、そして現代までを俯瞰するため本書を手に取りました。


古代における流通とは

  • 貨幣の出現
  • 物流の整備(消費地への輸送)
  • 市の開設(開催日 限定)



世界史的には、民間商人の出現はメソポタミア紀元前2000年に遡ります。日本に於いては、富本銭、和同開珎が鋳造された7世紀後半から8世紀ではないかと本書にて示唆されています。
貨幣が流通することにより商品の売買が容易になり民間商人の活躍が可能になりました。
遠距離の交易は官僚が当初行なっていたようで、基本は租税でありその他商品は官僚が私的に輸送をし利益を得ていました。しかし、物流が増える9世紀には民間の運送会社も登場することにより地方との交易形態も変わりました。
交易場としては地方では、国府(古代の役所)の近くの市になり 開催日も限られていたようです。
中央の平城京では、左京と右京にそれぞれ東市 西市が開設され政府の『市司』が管理していました。
 この時点では、物流、貨幣、が充分に整備されておらず未確立なので物々交換が入り混じっていたかもしれないですね。

中世における流通とは

  • 為替など金融技術が発達
  • 行商人が活躍
  • 問(丸)座の出現
  • 常設店舗、街道沿いの市、市庭の出現
  • 関所による課税

中世になると物流が大幅に増えましたが、この頃日本が良質な鋳造貨幣を大量に供給する国力がなく渡来銭にて対応、しかし供給不足に陥る。一方、割符屋(為替屋)が登場し遠隔地の商品取引を可能にしていきました。この頃から広域で活動する行商人が生まれた。
物流としては、海運業も盛んになり卸業として問(丸)が生まれ街道筋の馬借も抑え政治的な力を持っようになりました。
奈良、京都においては権門寺社(朝廷・公家・寺社)に奉仕してきた人に通行税、市場税の免税特権を与えため座という特権集団が生まれた。
交易場として地方では、月3回の定期市(三斎市)国府、寺社門前 地頭館、荘園政所前、宿駅、港湾にて行われ. 中央(平安時代末期)では、三条から七条まで鴨川沿いに店舗商業が起こります。
また現代風に言えばロードサイド施設のように国府に連なる街道上に 宿場市、門前市、荘園市が開設されます。
さらに、『市庭』が出現します。東西幅160メートル南北450メートル周りを幅5メートル、深さ3メートルの空堀で囲み、中には阿弥陀堂もあり全国各地を遍歴する行商人、宗教者、芸能者、遊女などが集い近隣の農業者も武士も商品の売買や芸能や享楽が参集した集積地

中世になると物流が大幅に増えましたが、この頃日本が良質な鋳造貨幣を大量に供給する国力がなく渡来銭にて対応、しかし供給不足に陥る。一方、割符屋(為替屋)が登場し遠隔地の商品取引を可能にしていきました。この頃から広域で活動する行商人が生まれた。
物流としては、海運業も盛んになり卸業として問(丸)が生まれ街道筋の馬借も抑え政治的な力を持っようになりました。
奈良、京都においては権門寺社(朝廷・公家・寺社)に奉仕してきた人に通行税、市場税の免税特権を与えため座という特権集団が生まれた。
交易場として地方では、月3回の定期市(三斎市)国府、寺社門前 地頭館、荘園政所前、宿駅、港湾にて行われ. 中央(平安時代末期)では、三条から七条まで鴨川沿いに店舗商業が起こります。
また現代風に言えばロードサイド施設のように国府に連なる街道上に 宿場市、門前市、荘園市が開設されます。
さらに集積地として東西幅160メートル南北450メートル周りを幅5メートル、深さ3メートルの空堀で囲み、中には阿弥陀堂もあり全国各地を遍歴する行商人、宗教者、芸能者、遊女などが集い近隣の農業者も武士も商品の売買や芸能や享楽が参集した集積地『市庭』が生まれていたようです。
 これも現代風に言えばショッピングセンターでしょうか、総面積にすると72000m2になり中規模のイオンモールに匹敵します。
都市部においては多様な商品経済が確立されていたようですが、農村部にては実証されていません。

近世および現代に関しては、別のテキストと合わせて読み進めたいと思います。
本書は、歴史的な長い視点で流通史を勉強したい方には最適ではないかと思います。
(浅学のため誤解、曲解しているところも多々あると思いますいがご容赦ください。)

日本流通史(2)
日本流通史 小売の近現代(1)



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