戦争とデザイン

書籍

松田行正 著

戦争はデザインされている。
誰もが、まさかと思ったロシアによるウクライナ侵攻。テレビやYouTubeに流される『Z』の赤文字と ウクライナの青と黄色の国旗 

この本の底流には第二次世界大戦における独裁者のデザイン戦略があります。
著者の『独裁者のデザイン』の方が戦争における広告の手法がわかりやすく本書は、再編集的な部分も多いのですが、 2022年にデザインと戦争を考えてみるにはふさわしいと思います。


一章は、空軍機の標的マークや国旗のデザインについてわかりやすく解説されて
戦争とデザインの関係は国旗から始まると示唆されている。
敵と味方の識別は戦場では絶対必要なのでここからデザインは関わっていくことになるようです。

二章は、ロシアで使われる『Z』が当初はロシア軍を示す特別記号だったりとか
シンボルマークを中心に十字軍、ヒットラー、等の戦争に話が広がっていく。

三章 四章に関して広告デザインや戦争と宗教の話に変わっていきます。
戦争の話は、正直読み進めるには楽しい内容ではないのだが…….。

途中から著者の反戦に対する思いからデザイン的な話が薄くなりますが、2022年に発刊されたことは非常に意味があったと思います。
戦争が始まれば、デザイナーも国家からの仕事だけでなく民間企業からも何らかの形で戦争に関わらざるを得なくなるでしょう。

デザイナーやデザイン好きの人は自戒を込めて読んでみてはいかがでしょうか?
 

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